コラム

特定技能に必要な試験とは?12分野(14業種)ごとに徹底解説!

在留資格「特定技能」は、人手不足が進行する日本において労働力を補う手立てとなります。「特定技能を取得したいけど、どうすればいいのか分からない」「技能実習で働いている従業員に特定技能の試験を受けさせたい」このような悩みを抱いていませんか。この記事では、在留資格「特定技能」を取得するために必要な受験資格、試験内容について詳しく解説します。疑問点を払拭し、安心して試験に挑みましょう。

在留資格「特定技能」とは

特定技能制度は、国内人材を確保することが困難な産業において、外国人材を受け入れることで人材不足を補うことを目的とした制度です。2018年に成立した改正出入国管理法により在留資格「特定技能」が創設され、2019年4月から受入れが可能となりました。ここでは、在留資格「特定技能」について詳しく解説します。

外国人技能実習制度との違い

 外国人技能実習制度との違いは主に3つあります。

① 制度の目的

前述したように、「特定技能」は専門性・技能を有する外国人を受け入れて労働力を確保することを目的としています。一方、「技能実習制度」は、日本語や技能といった能力は求められず、日本での就労を通して技術を学んでもらい、自国に持ち帰ることでその国の技術の発展を促すことを目的としています。

② 受け入れ職種

「特定技能」は12分野(14職種)において受け入れ可能であり、「技能実習」は85職種(156作業)と細かく分類されています。

③受け入れ人数制限

「特定技能」は、労働力不足を補うために導入されていることから介護分野を除いて受け入れ人数制限は設けられていません。一方で、「技能実習制度」は指導を目的としていることから企業規模によって制限が設けられています。

特定技能1号と特定技能2号の違い

2023年6月に「特定技能2号」の対象範囲が、「特定技能1号」の12の特定産業分野のうち、介護分野以外の全ての特定産業分野において受け入れ可能となったことから、今後「特定技能2号」移行者の増加が見込まれます。「特定技能1号」と「特定技能2号」の違いを明確にすることで、最適な雇用に繋がります。

「特定技能1号」と「特定技能2号」の違いは、主に在留期間の上限、日本語能力の証明有無、受け入れ企業の支援有無です。在留期間の上限に関しては、「特定技能1号」では通算5年ですが「特定技能2号」では上限なく滞在することが可能です。日本語能力の証明は、「特定技能1号」を取得する時にのみ求められ、「特定技能2号」では、日本語能力の証明は必要ありません。「特定技能1号」を受け入れる機関は、支援計画書を作成して、支援基準を満たす義務が課されるため注意が必要です。

在留資格「特定技能」取得に必要な試験

在留資格「特定技能」を取得するためには、「日本語試験」と「技能試験」に合格することが求められます。ここでは、在留資格「特定技能」取得のために必要な試験について詳しく解説します。

日本語能力試験(JLPT)

日本語能力試験(JLPT)とは、

原則として日本語を母語としない人を対象に、日本語能力を測定し、認定することを目的としています。

参考:日本語能力試験 にほんごのうりょくしけん とは

 

在留資格「特定技能1号」の取得には、日本語能力試験(JLPT)においてN4レベル以上であることが求められます。N4レベルとは、「基本的な日本語を理解することが出来る」状態のことを指します。

N4レベル【基本的な日本語を理解することができる】

・基本的な語彙や漢字を使って書かれた日常生活の中でも身近な話題の文章を、読んで理解することができる。

・日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる。

参考:N1~N5: 認定 ( にんてい ) の 目安 ( めやす )

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)とは、

主として就労のために来日する外国人が遭遇する生活場面でのコミュニケーションに必要な日本語能力を測定し、「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力」があるかどうかを判定することを目的としています。

参考:JFT-Basic 国際交流基金日本語基礎テスト

このテストは、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)に沿って「日本語がどれだけできるか」を測ります。在留資格「特定技能1号」を取得するためにはA2レベル以上であることが求められます。A2レベルも日本語能力試験(JLPT)と同様に「日常的な範囲でならコミュニケーションが出来る」状態のことを示します。

具体的には以下の通りです。

A2レベルとは、

・ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、近所、 仕事など、直接的関係がある領域に関する、よく 使われる文や表現が理解できる。

・簡単で日常的な 範囲なら、身近で日常の事柄についての情報交換 に応じることができる。 

参考:「日本語教育の参照枠」一次報告 概要

介護日本語評価試験

在留資格「特定技能」の対象である14分野のうち、「介護」に就く際には、「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」の受験が必須になります。

「介護日本語評価試験」では、介護現場で業務に携わる上で支障のない程度の介護用語を使える日本語能力が求められます。

技能試験

技能試験は、就労分野ごとに分かれており、十分な技能水準に達しているかを測るものです。詳しくは、この記事の後半に記載されている各実施機関の公式サイトでも確認出来ます。

受験資格

2020年4月1日に国内試験の受験資格が、「中長期に在留者として在留していた経験を有する者」から「在留資格を有する者」に範囲が拡大されました。これは、在留資格「短期滞在」を取得されている方にも適用されます。また、技能試験は海外でも実施されているため、希望する職種の試験の開催国についても事前に調べておきましょう。

(参考):試験関係 | 出入国在留管理庁

各試験実施国・試験内容

技能試験は、各分野によって管轄機関が異なります。また、試験によっては日本以外でも実施されているものもあり、受験する際には事前に情報を集めておく必要があります。ここでは、各試験の概要について紹介します。

介護 

介護分野は、実施回数、実施国ともに他の試験と比べて多いです。また、実技試験に関してもコンピューター上で回答するものであり、受験者の負担も少なくて済みます。

実施日程   毎月実施
管轄機関厚生労働省
実施国日本・海外9か国(ベトナム、フィリピン、カンボジア、中国、インドネシア、タイ、ミャンマー、ネパール、モンゴル)
受験資格17歳以上の者(日本国内の場合は、17歳以上であり在留資格の保持が求められる)
試験概要コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式試験時間 60 分 問題数 45 問(学科試験:40 問)・介護の基本(10 問)・こころとからだのしくみ(6問)・コミュニケーション技術(4問)・生活支援技術(20 問)(実技試験:5問)・生活支援技術(5問)
合否基準問題の難易度等の補正を行い、合否の基準を決定する

(参考)介護分野における特定技能外国人の受入れについて | 厚生労働省

ビルクリーニング

ビルクリーニング分野は、2023年7月に実施された国内試験合格率が87.1%であり、比較的合格しやすい分野です。

実施日程  国内、年2回程度。海外試験は不定期
管轄機関公益社団法人ビルメンテナンス協会
実施国日本・海外5か国(インドネシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、カンボジア)
受験資格17歳以上の者(日本国内の場合は、17歳以上であり在留資格の保持が求められる)
試験概要判断試験 20分・写真・イラストなどにより判断する試験作業試験 12分・作業1:床面の定期清掃作業・作業2:ガラス面の定期洗浄作業・作業3:洋式大便器の日常清掃作業
合否基準判断試験60%以上、かつ作業試験60%以上

(参考)ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験 国内試験合格者(2023年7月)

製造業(素形材・産業機器・電気電子情報関連)

製造分野は、2022年8月30日より、19あった業務区分が3つになりました。このことにより、同業務区分であれば再度技能試験を受けることなく、転職を行うことが出来るようになりました。

新業務区分
➀機械金属加工・鋳造・鉄工・塗装・ダイカスト・機械加工・電気機器組立て・金属プレス加工・仕上げ・機械検査・工場板金・プラスチック成形・機械保全・鍛造・溶接・工業包装
②電気電子機器組立て・機械加工・プリント配線板製造・仕上げ・機械検査・プラスチック成形・機械保全・電気機器組立て・電子機器組立て・工業包装
➂金属表面処理・めっき・アルミニウム陽極酸化処理
(参考)特定技能外国人材制度(製造業分野)の制度改正について

実施日程  国外ともに年に数回実施(令和5年度は7月,10月,2月の3回)
管轄機関経済産業省
実施国インドネシア・フィリピン・タイ
受験資格17歳以上の者、受験回数制限なし(日本国内の場合は、17歳以上であり在留資格の保持が求められる)
試験概要・コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式、ペーパーテスト方式・3つの試験区分より、19の技能を選択
合否基準学科試験:65%以上実技試験:60%以上両方とも同時に合格することが必要

(参考)製造分野特定技能1号評価試験> 試験案内一覧

建設

建設分野に関しても、2022年8月30日より、業務区分の統合がなされたため、同じ区分内にある業務への転職・兼業が可能になりました。

新業務区分
➀土木・型枠施工・コンクリート圧送・トンネル推進工・建設機械施工・土木・鉄筋施工・とび・海洋土木工
②建築・型枠施工・左官・コンクリート圧送・屋根ふき・土木・鉄筋施工・鉄筋継手・内装仕上げ・表装・とび・建築大工・建築板金・吹付ウレタン断熱
➂ライフライン・設備・電気通信・配管・建築板金・保温保冷
実施日程  国内外で年数回
管轄機関一般社団法人建設技能人材機構
実施国日本・海外2か国(フィリピン、ベトナム)実施環境が整った国から順次実施
受験資格17歳以上の者(日本国内の場合は、17歳以上であり在留資格の保持が求められる)
試験概要・コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式、ペーパーテスト方式▼学科試験問題数:30 問試験時間:60分▼実技試験問題数:20問試験時間:40分
合否基準学科試験:合計点の65%以上実技試験:合計点の65%以上

(参考)建設分野特定技能1号評価試験

造船・舶用工業

造船・舶用工業分野では、受験者の希望地によって受験可能です。職種が多くあるため、試験内容の詳細は管轄機関公式ホームページをご覧ください。

実施日程 希望する場所において、試験監督者を派遣する。随時試験実施。海外は不定期
管轄機関一般財団法人日本海事協会
実施国日本と海外2か国(フィリピン、インドネシア)
受験資格17歳以上の者 (日本国内の場合は、17歳以上であり在留資格の保持が求められる)
試験概要学科試験:真偽選択法(〇×式)、30問 60分実技試験:実技試験:職種ごとに作業試験,判断試験など
合否基準学科試験:60%以上実技試験:職種ごとによって異なる

(参照)造船・舶用工業分野特定技能試験 | ClassNK

自動車整備

自動車整備分野は、開催国が日本とフィリピンのみであり、資格保有者数も低迷しています。

実施日程   日本とフィリピンで毎月実施
管轄機関一般社団法人日本自動車整備振興会連合会
実施国日本、フィリピン
受験資格17歳以上の者(日本国内受験の場合は、17歳以上であり在留資格の保持が求められる)
試験概要学科試験 真偽法(○×式)30問、試験時間は60分・構造、機能及び取扱法に関する初等知識・点検、修理及び調整に関する初等知識・整備用の試験機、計量器及び工具の構造、機能及び取扱法に関する初等知識・材料及び燃料油脂の性質及び用法に関する初等知識実技試験 問題数は3課題で、複数の設問を設け、試験時間は20分・簡単な基本工作・分解、組立て、簡単な点検及び調整・簡単な修理・簡単な整備用の試験機、計量器及び工具の取扱い
合否基準学科試験:65%以上 実技試験:60%以上

(参照)特定技能評価試験 Specified skills evaluation test

航空

航空分野は、海外においてモンゴルのみでの実施となっています。試験実施回数も少ないため、細心の注意を払って情報収集を行いましょう。

実施日程        国内外で年数回
管轄機関公益社団法人日本航空技術協会
実施国日本・モンゴル
受験資格17歳以上の者(日本国内受験の場合は、17歳以上であり在留資格の保持が求められる。モンゴル人は18歳以上。)
試験概要空港グランドハンドリングの基本事項から出題学科試験:問題数30問、45分、真偽選択法(〇×式)実技試験:写真・イラストなどを用いた判断試験
合否基準学科試験:65%以上 実技試験:65%以上

(参考)日本航空技術協会(JAEA)

宿泊

宿泊分野は今後インバウンド需要の増加が見込まれることから、最も注目されている業種です。

実施日程    国内外にて不定期実施
管轄機関一般社団法人宿泊業技能試験センター
実施国日本、海外3か国(ミャンマー、ネパール、インドネシア)
受験資格17歳以上の者(日本国内受験の場合は、17歳以上であり在留資格の保持が求められる)
試験概要学科試験:〇×式、30問実技試験:口頭による判断等試験
合否基準学科試験、実技試験ともに65%以上

(参考)特定技能試験 |一般社団法人 宿泊業技能試験センター

農業

農業分野は、国内外で毎月実施され実施国も多いため、取得しやすい資格であると言えます。

実施日程  国内外で毎月実施
管轄機関一般社団法人全国農業会議所
実施国日本、海外9か国(フィリピン、インドネシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、ネパール、モンゴル、ウズベキスタン、スリランカ)
受験資格17歳以上の者(日本国内受験の場合は、17歳以上であり在留資格の保持が求められる)
試験概要学科:出題範囲は業務ごとによって異なる。問題数70問、試験時間60分実技:イラスト・写真による判断日本語:日本語で話された農作業内容の聴き取り
合否基準全国農業会議所が定める判定基準点

(参考)農業技能測定試験について

漁業

漁業分野は、不定期で実施されており、国外試験もインドネシアのみとなっています。そのため、資格取得者もインドネシア人の割合が高いです。

実施日程 国内外で不定期実施
管轄機関一般社団法人大日本水産会
実施国日本、インドネシア
受験資格17歳以上の者(日本国内受験の場合は、17歳以上であり在留資格の保持が求められる)
試験概要学科試験:〇×式、実技試験:多肢選択式
合否基準調節中

(参考)在留資格「特定技能」漁業技能測定試験について | 大日本水産会

飲食料品製造業

飲食料品製造業は、技能実習から移行するかたも多く、特定技能12分野の中の割合において最も高い値を示しています。そのため、希望者も多く、定員オーバーとなってしまう場合があります。受験を希望する際は、余裕をもって応募しましょう。

実施日程 国内外で不定期実施
管轄機関一般社団法人外国人食品産業技能評価機構
実施国日本、海外2か国(インドネシア、フィリピン) 
受験資格17歳以上の者(日本国内受験の場合は、17歳以上であり在留資格の保持が求められる)
試験概要学科試験:三者択一方式実技試験:三者択一方式
合否基準学科試験及び実技試験の合計得点の65%以上

(参考)OTAFF

外食業

外食分野は、飲食料品製造業と同様に事前に「マイページ登録」をして審査を受ける必要があります。

実施日程  国内外で不定期実施
管轄機関一般社団法人外国人食品産業技能評価機構
実施国 日本、海外7か国(カンボジア、インドネシア、ミャンマー、ネパール、フィリピン、スリランカ、タイ)
受験資格17歳以上の者(日本国内受験の場合は、17歳以上であり在留資格の保持が求められる)
試験概要学科試験:三者択一方式実技試験:三者択一方式
合否基準学科試験及び実技試験の合計得点の65%以上

(参考)OTAFF

まとめ

本記事では、在留資格「特定技能」を取得するために必要な試験についてご紹介しました。在留資格「特定技能」を取得するためには、日本語能力だけでなく業務に沿った技能試験の受験が必須です。技能試験は、分野ごとに管轄機関が異なり、試験実施国や実施日程も異なります。本記事で紹介した管轄機関のホームページを随時チェックして、最新の情報を手に入れましょう。

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