コラム

【2023年10月最新】特定技能12の職種を比較・まとめ

日本の労働者不足を解決する可能性を持つ「特定技能」を知っていますか?本記事では全部で12分野ある特定技能の職種をそれぞれの特徴や従事することができる業務内容、現在の利用状況なども含めてまとめています。特定技能の職種全12酒類について詳しく知りたい方向けに解説していきます。

特定技能とは

「特定技能」とは日本の労働者不足を解決するための1つの方法として2020年4月からスタートした在留資格です。特定技能では、現在人手不足とされている12分野にて従事できます。日本語レベルと技能レベルが一定の水準に達している人のみこの在留資格を得られるので、現場で即戦力として働いてもらえる可能性が高いのが特徴です。
また、2023年8月31日から12分野のうち介護以外の11分野が「特定技能」2号に拡大することになりました。1号と2号の違いはいくつかありますが、1番の違いは在留期限です。「特定技能」1号では最長5年の在留期限があるのに対し、2号では在留期限がありません。そのため特定技能の外国人人材が増加することが今後予想されます。ではなぜこのような制度の整備が進んでいるのでしょうか。

唯一2号に拡大しなかった特定技能「介護」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

特定技能が整備されている背景

特定技能制度の整備が進んでいる背景には、やはり日本の深刻な労働人口不足があります。日本は現在少子高齢化が進んでおり、以下のグラフからもわかるように日本の労働人口の多くを占める15〜64歳の層が減少傾向にあるのは事実です。

参考:総務省・図表3-5-2-14 我が国の人口の推移

この問題を解決する一つの方法として外国人の雇用を増やすという方法があります。以下のグラフからも分かるように外国人労働者人口は全体的に伸びてきており、その中の一つとして即戦力として働くことのできる在留資格として「特定技能」が注目されているのです。

特定技能 1号と2号の違い

先ほどもお伝えした通り、「特定技能」の中でも1号と2号では内容が異なります。その1号と2号の違いを理解しておくと、特定技能の全職種をより理解しやすいため以下にその違いを分かりやすくまとめました。

特定技能1号特定技能2号
在留資格1年、6か月、または4か月更新3年、1年、または6か月更新
最長在留可能期間5年上限なし
技能水準試験などで確認
ただし、技能実習2号修了者は免除
試験などで確認
日本語能力水準生活や業務に必要な日本語能力を試験などで確認(JLPT:N4相当)
ただし、技能実習2号修了者は免除
試験などでの確認は不要
家族体動(配偶者・子)不可
受け入れ期間の支援支援対象支援対象外
職種12分野介護以外の11分野
※2023年8月31日以降、かつては特定技能1号のうち建設分野及び造船・舶用工業分野の溶接区分のみが特定技能2号の対象となっていましたが、介護以外の11分野全てが2号の対象に拡大されました。

特定技能職種一覧

ここからは特定技能を職種別に詳しく解説していきます。

1.介護

業務内容:介護施設における入浴や食事、排泄などの介助の支援

受け入れ状況16,081人
管轄機関厚生労働省
受験資格17歳以上(日本国内の場合は、17歳以上であり在留資格の保持)
開催頻度開催頻度:毎月(海外試験もほぼ毎月実施)
技能試験内容コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式試験/問題数 45 問(学科試験:40 問)・介護の基本(10 問)・こころとからだのしくみ(6問)・コミュニケーション技術(4問)・生活支援技術(20 問)(実技試験:5問)・生活支援技術(5問)
日本語試験内容日本語能力試験(JLPT)または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)+介護日本語評価試験
試験実施国日本、カンボジア、インドネシア、モンゴル、ミャンマー、ネパール、フィリピン、タイ、スリランカ、インド、ウズベキスタン
詳細介護施設での勤務は可能ですが、訪問介護のサービスへの従事は禁止されています。
唯一、特定技能2号へ移行されなかったのは、在留期間が無制限である技能実習「介護」という別の在留資格が存在することが理由です。

2.ビルクリーニング業

業務内容:オフィスビルやショッピングモールなどの建物内部の清掃

受け入れ状況1,867人
管轄機関公益社団法人ビルメンテナンス協会
受験資格17歳以上(日本国内の場合は、17歳以上であり在留資格の保持)
開催頻度年に2回程度全国の会場で実施
技能試験内容判断試験/写真・イラストなどにより判断する試験作業試験/作業1:床面の定期清掃作業・作業2:ガラス面の定期洗浄作業・作業3:洋式大便器の日常清掃作業
日本語試験内容日本語能力試験(JLPT)または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)+介護日本語評価試験
試験実施国日本、インドネシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、カンボジア

3.素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野(2022年に統合)

(業務区分)
①素形材:金属やプラスチックなどの素材を変形させて部品を製造
業務内容:鋳物や塗装、仕上げ、電気機器組み立て、溶接、機械検査、鍛造、ダイカスト、工業板金、機械保全、プラスチック成形、機械加工、めっき、アルミニウム陽極酸化処理、金属プレス加工

②産業機械製造業:工場や事業所などで使われる機械の製造
業務内容:鋳物、塗装、仕上げ、電気機器組み立て、溶接、鉄鋼、機械検査、鍛造、鉄工、プリント配線板製造、工業包装、ダイカスト、工業板金、機械保全、プラスチック成形、機械加工、めっき、電子機器組み立て、金属プレス加工

③電気・電子情報関連産業:電気・電子機器や部品の製造・組み立て
業務内容:機械加工、仕上げ、プリント配線板製造、工業包装・金属プレス加工・機械保全、プラスチック成形・工場板金・電子機器組立て、塗装・めっき・電気機器組立て・溶接の業務区分

受け入れ状況27,725人
管轄機関経済産業省
受験資格17歳以上(日本国内の場合は、17歳以上であり在留資格の保持)
開催頻度2022年度は3回実施(海外試験は年2回実施)
技能試験内容技能試験内容:・コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式、ペーパーテスト方式・3つの試験区分より、19の技能を選択
日本語試験内容日本語能力試験(JLPT)または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)
試験実施国日本、インドネシア、フィリピン、ネパール、タイ
詳細3つの業務区分が2022年5月25日に統合され、1分野となりました。そのため、3つの業務区分内であれば複数の業務への従事が可能になりました。

4.建設業

(業務区分)①土木:道路やトンネルの工事など生活基盤に関わる施設の建設や整備
業務内容:型枠施工、コンクリート圧送、トンネル推進工、建設機械施工、土工、鉄筋施工、とび、海洋土木工、土木施設の新設、改築、維持、修繕に係る作業

②建築:建物の建築や修繕
業務内容:型枠施工、左官、コンクリート圧送、屋根ふき、土工、鉄筋施工、鉄筋継手、内装仕上げ、表装、建築大工、建築板金、吹付ウレタン断熱、建築物の新築、増築、改築若しくは移転、修繕、模様替又は係る作業

③ライフライン:電気やガス、下水道などの整備
業務内容:電気通信、配管、建築板金、保温保冷、ライフライン・設備の整備・設置、変更又は修理に係る作業

受け入れ状況12,768人
管轄機関一般社団法人建設技能人材機構
受験資格17歳以上(日本国内の場合は、17歳以上であり在留資格の保持)
開催頻度不定期
技能試験内容コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式、ペーパーテスト方式/学科試験問題数:30 問/試験時間:60分/実技試験問題数:20問/試験時間:40分
日本語試験内容日本語能力試験(JLPT)または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)
試験実施国日本、フィリピン、ベトナム
詳細上記の製造分野と同様、建設業も2022年8月30日より業務区分が統合されたため区分内の複数の業務への従事が可能になりました。

5.造船・舶用工業

業務内容:船や船に使われる部品などの製造

受け入れ状況46,02人
管轄機関一般財団法人日本海事協会
受験資格17歳以上(日本国内の場合は、17歳以上であり在留資格の保持)
開催頻度不定期
技能試験内容学科試験:真偽選択法(〇×式)/30問 60分実技試験:実技試験:職種ごとに作業試験,判断試験など
日本語試験内容日本語能力試験(JLPT)または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)
試験実施国日本、フィリピン、インドネシア

6.自動車整備業

業務内容:自動車の点検や整備、修理

受け入れ状況1,738人
管轄機関一般社団法人日本自動車整備振興会連合会
受験資格17歳以上(日本国内の場合は、17歳以上であり在留資格の保持)
開催頻度基本毎月開催
技能試験内容真偽法(○×式)30問、試験時間は60分・構造、機能及び取扱法に関する初等知識・点検、修理及び調整に関する初等知識・整備用の試験機、計量器及び工具の構造、機能及び取扱法に関する初等知識・材料及び燃料油脂の性質及び用法に関する初等知識実技試験 
問題数は3課題で、複数の設問を設け、試験時間は20分・簡単な基本工作・分解、組立て、簡単な点検及び調整・簡単な修理・簡単な整備用の試験機、計量器及び工具の取扱い
日本語試験内容日本語能力試験(JLPT)または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)
試験実施国フィリピン

7.航空業

業務内容:機体の誘導や機体の整備

受け入れ状況167人
管轄機関公益社団法人日本航空技術協会
受験資格17歳以上(日本国内の場合は、17歳以上であり在留資格の保持)
開催頻度年4回(海外は年1回)
技能試験内容空港グランドハンドリングの基本事項から出題学科試験:問題数30問、45分、真偽選択法(〇×式)実技試験:写真・イラストなどを用いた判断試験
日本語試験内容日本語能力試験(JLPT)または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)
試験実施国日本、フィリピン、ネパール、インドネシア、モンゴル

8.宿泊業

業務内容:フロント業務やベッドメイキングなどの顧客サービス

受け入れ状況206人
管轄機関一般社団法人宿泊業技能試験センター
受験資格17歳以上(日本国内の場合は、17歳以上であり在留資格の保持)
開催頻度国内外にて不定期実施
技能試験内容学科試験:〇×式、30問実技試験:口頭による判断等試験
日本語試験内容日本語能力試験(JLPT)または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)
試験実施国日本、ミャンマー、ネパール、インドネシア

9.農業

業務内容:野菜や穀物、畜産物の生産

受け入れ状況16,459人
管轄機関一般社団法人全国農業会議所
受験資格17歳以上(日本国内の場合は、17歳以上であり在留資格の保持)
開催頻度毎月(海外試験もほぼ毎月実施)
技能試験内容学科:出題範囲は業務ごとによって異なる。問題数70問、試験時間60分実技:イラスト・写真による判断日本語:日本語で話された農作業内容の聴き取り
日本語試験内容日本語能力試験(JLPT)または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)
試験実施国カンボジア、インドネシア、モンゴル、ミャンマー、ネパール、フィリピン、タイ、スリランカ、インド、ウズベキスタン

10.漁業

業務内容:水産物の採捕や養殖

受け入れ状況1,638人
管轄機関一般社団法人大日本水産会
受験資格17歳以上(日本国内の場合は、17歳以上であり在留資格の保持)
開催頻度年6回程度
技能試験内容学科試験(40問)+状況判断等の実技試験(5問)
日本語試験内容日本語能力試験(JLPT)または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)
試験実施国インドネシア

11.飲食料品製造業

業務内容:酒類を除く飲食物の製造・加工

受け入れ状況1,638人
管轄機関一般社団法人大日本水産会
受験資格17歳以上(日本国内の場合は、17歳以上であり在留資格の保持)
開催頻度年6回程度
技能試験内容学科試験(40問)+状況判断等の実技試験(5問)
日本語試験内容日本語能力試験(JLPT)または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)
試験実施国インドネシア

12.外食業

業務内容:調理や接客

受け入れ状況5,159人
管轄機関一般社団法人外国人食品産業技能評価機構
受験資格17歳以上(日本国内の場合は、17歳以上であり在留資格の保持)
開催頻度年4回程度(海外試験は国により解散頻度が異なります)
技能試験内容学科試験:三者択一方式実技試験:三者択一方式
日本語試験内容日本語能力試験(JLPT)または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)
試験実施国インドネシア、フィリピン、カンボジア、タイ、ネパール、ミャンマー、スリランカ

※上記では日本語試験についても記載しましたが、特定技能2号の場合は日本語試験を受ける必要はありません。

以下のグラフは現在登録されている特定技能での雇用割合を表したグラフです。結果として、飲食料品製造業での受け入れ人数が一番多いことが分かります。

出典:出入国在留管理庁/特定技能在留外国人数 (令和5年6月末現在)

特定技能の追加を検討されている職種

特定技能の追加を検討されている職種上記のように特定技能は現在12分野にとどまっており、まだまだ外国人が職を選択する自由があるとは言い難いのが現状です。しかし、12分野以外にも深刻な人手不足を理由に特定技能に追加が検討されている業種があります。外国人でも適切に従事できると判断された場合は、今後追加される可能性があるでしょう。

ドライバー業

運送業などで活躍するトラックの運転手やタクシードライバーなどのドライバー業は長年人材不足が続く業界です。2020年に自由民主党の外国人労働者等特別委員会の業界ヒヤリングに、全日本トラック協会の桝野龍二理事長が出席し、「技能実習2号移行対象職種」に道路貨物運送業務を追加するよう要望しました。このことからもドライバー業が特定技能に追加されることが期待されています。また、インバウンドが再開した今、語学力があるタクシードライバーなどは非常に重宝されるため外国人がタクシードライバーを職業として選択しやすいようにするべきだという声も挙がっています。

倉庫業

倉庫業とは製造や流通業界において倉庫内でのピッキングや梱包、入庫や荷下ろしなどをおこなう業界です。こちらの業界も慢性的に人材不足が続いています。2020年に行われた人材活用検討部会にて日本冷蔵倉庫協会は国土交通省に倉庫業の特定技能への追加を要求する方針で議論を進めています。このことからも外国人人材が今後、倉庫業へ特定技能として雇用される可能性があります。

特定技能を雇う際のステップ

特定技能を実際に自社で雇う場合どういった流れで進めればよいのでしょうか。

【国内に在留している外国人の場合】
技能実習など他の在留資格をもっており、既に日本で在留している外国人を特定技能として雇用する場合
の流れをご紹介します。

①特定技能の試験に合格してもらう
②雇用契約する
③健康診断の受診など
④特定技能外国人支援計画を作成する
⑤地方出入国在留管理局へ在留資格変更許可申請する
⑥「特定技能1号」へ在留資格変更
⑦就労開始

【海外から来日する外国人の場合】

次に、既に特定技能の在留資格に合格し、新しく日本で就労する外国人を紹介します。

①特定技能外国人と雇用契約を結ぶ
②健康診断の受診など
③特定技能外国人支援計画を作成する
④地方出入国在留管理局へ在留資格変更許可申請する
⑤在留資格認定証明書受領
⑥在外公館に査証(ビザ)申請
⑦査証(ビザ)受領
⑧入国
⑨就労開始

まとめ

今回は「特定技能」の職種について解説しました。特定技能は日本の深刻な問題である人材不足を解消する可能性がある制度です。今はまだ12種類の職種しかありませんが、今後さらに制度が整っていくと考えられます。ぜひ今のまだはやいうちに外国人の採用を検討してみてはどうでしょうか?

YOLO総研 編集部 ハタ

この記事を書いた人

YOLO総研 編集部 ハタ

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