コラム

【2023年最新】外国人労働者を低賃金で雇用するのは違法!最低賃金と正しい給与設定

日本では、少子高齢化や若者の都市部への流出などの要因から、深刻な労働力不足が問題になっています。その問題を解決するための方法として、外国人労働者を雇用する方法があります。しかし、外国人労働者の経験が少ない企業では、どのような労働条件や賃金で契約を結べば良いのか分からないこともあります。本記事では、違法にならないために、外国人労働者に支払うべき賃金について解説します。

そもそも最低賃金とは?

最低賃金は、国が賃金の底限を定め、労働者に対してこの最低額以上の給与を支給するよう法的に規定する仕組みです。この制度は「最低賃金法」に基づいており、雇用主は最低賃金額以上の賃金を労働者に支払う責務を負います。

最低賃金額未満の賃金を合意に基づいて支払ったとしても、法律上は無効とみなされ、実際の最低賃金と同じ金額を支給しなければなりません。

したがって、最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合、差額を補償しなければなりません。地域ごとに異なる最低賃金額を守らない場合、最低賃金法により罰則が科されます(最高で50万円以下の罰金)。また、特定の業種における最低賃金額を尊重しない場合、労働基準法による罰則も適用されます(最高で30万円以下の罰金)。

詳しい情報は、厚生労働省の「最低賃金制度とは」から確認いただけます。

外国人も最低賃金を下回ってはいけない

最低賃金の遵守は、国籍に関わらず必須です。外国人労働者にも、日本国民と同等以上の賃金を提供しなければなりません。

外国人労働者を雇う場合、最低賃金の順守が法的要件として課せられます。日本では、「最低賃金法」という労働に関する法律が存在し、企業は全ての従業員に対して最低賃金以上の賃金を支払う義務があります。この法律は、日本国内で働くすべての人に適用され、外国人労働者も含まれます。従って、外国人労働者を最低賃金未満で雇用することは法的に禁止されています。同様の規則は技能実習生にも適用されます。

「日本語のコミュニケーションが困難」「登録支援機関を通じて採用された」「将来の見通しが限定的」などの理由から、外国人労働者が低い賃金で雇われる傾向があります。しかし、「同一労働同一賃金」の原則は、外国人労働者にも適用されますので、不当に低い賃金を支払うことは許されません。ただし、業務内容や成果に差異がある場合など、合理的な根拠に基づく賃金差は合法です。企業は内部の賃金基準に従い、公正な賃金を支払う責務を負っています。

また、2023年10月1日から最低賃金が段階的に引き上げられ、全国平均時給が史上初の1000円を越え、1004円に到達しました。

なぜ外国人は低賃金で採用できると思われているのか

多くの人々が外国人労働者について「低賃金」という印象を持っています。では、その背後には何があるのでしょうか?

その理由の一つは、多くの外国人労働者が「技能実習生」として日本で働いていることです。実際、技能実習生の多くは月給が15万から20万円程度といわれています。この金額は、日本の生活費に比べて低く感じられるかもしれません。

なぜなら、多くの技能実習生は、日本での仕事を「出稼ぎ」として選ぶ人が多いためです。日本では様々な業界で労働力が不足しており、その背後には少子化などの要因が影響しています。しかし、法律により「単純労働」を目的として外国人を雇用することは禁止されています。そのため、外国人は「技能実習生」として働くことが選択されることが多いのです。つまり、「技能実習生」は本来は技術や知識を学ぶために来日しているはずなのに、実際には「単純労働者」として雇用されてしまっているのです。

しかし、この問題は外国人技能実習制度や監督団体の問題ではなく、雇用主の意識の問題といえます。雇用主は技能実習生を「単純労働者」としてではなく、日本の技術や知識を学び、その知識を持ち帰って母国の経済発展に貢献する一環として受け入れることを考えるべきです。

このように、外国人労働者にも同じ賃金が支払われるべきですが、外国人であるが故に不当に低賃金が設定されたり、給与が停滞したりする問題が未だに存在しています。

厚生労働省が2021年に公表した「技能実習生の監督指導および違反事例に関する報告」によれば、2021年に監督指導を受けた外国人技能実習生を雇用する事業場のうち、6,556事業場中72.6%で労働基準関係法令の違反が見られました。

(参考)外国人技能実習生の実習実施者に対する令和3年の監督指導、送検等の状況を公表します|厚生労働省

最低賃金の種類(2種類)

「最低賃金」と言っても、最低賃金には地域ごとに設定された「地域別最低賃金」と特定の産業や職種に適用される「特定最低賃金」が存在します。
まず、それぞれの最低賃金の具体的な金額を確認してみましょう。

(1)地域別最低賃金
地域別最低賃金は、以下の要因を総合的に考慮して決められます:
[1] 労働者の生計費
[2] 労働者の賃金
[3] 通常の事業の賃金支払能力

特に、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を送ることができるように、生活保護政策と調和させることが考慮されています。

(2) 特定最低賃金
特定最低賃金は、特定の産業に適用される最低賃金です。特定最低賃金は、関係する労使が提案し、最低賃金審議会が調査審議を行った後に設定されます。地域別最低賃金よりも高い水準が必要とされる産業に適用されます。全国で228の最低賃金が設定されており、そのうち227は各都道府県内の特定の産業向けに設定されています。残り1つは全国規模のもので、非金属鉱業に関連しています(全国非金属鉱業最低賃金)。

地域別最低賃金(47都道府県)

地域別最低賃金は、産業や職種に関係なく、各都道府県内の事業場で働くすべての労働者と雇用主に適用される最低賃金の規定です。全国には47の都道府県があり、それぞれが独自の最低賃金を設定しています。

この地域別最低賃金は、[1] 労働者の生計費、[2] 労働者の賃金、[3] 通常の事業の賃金支払能力などを包括的に考慮して決められています。特に、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を維持できるよう、生活保護政策との調和が重要視されています。

地域別最低賃金は、毎年10月ごとに改訂されていますので、外国人労働者の給与については年次で見直す必要があります。以下は、令和5年10月(2023年)に改訂された地域別最低賃金の情報です。外国人労働者を雇う場合、この最低賃金を下回らない契約を締結することが求められます。

2023年度【都道府県別】最低賃金額

地域最低賃金
北海道960円
青森県898円
岩手県893円
秋田県897円
宮城県923円
山形県900円
福島県900円
埼玉県1028円
東京都1,113円
神奈川県1,112円
千葉県1,026円
茨城県953円
栃木県954円
群馬県935円
新潟県931円
富山県948円
石川県933円
福井県931円
山梨県938円
長野県948円
岐阜県950円
静岡県984円
愛知県1027円
三重県973円
滋賀県967円
京都府1008円
大阪府1064円
兵庫県1001円
奈良県936円
和歌山県929円
鳥取県900円
島根県904円
岡山県932円
広島県970円
山口県928円
香川県918円
徳島県896円
愛媛県897円
高知県897円
福岡県941円
佐賀県900円
長崎県898円
熊本県898円
大分県899円
宮崎県897円
鹿児島県897円
沖縄県896円

特定最低賃金(産業別・職業別)

特定最低賃金は、特定の産業に適用される最低賃金です。特定最低賃金は、関係する労使の申し出に基づき、最低賃金審議会の調査審議を経て設定されます。この特定最低賃金は、地域別最低賃金よりも高い水準の最低賃金を必要と認める産業に対して適用されます。全国で合計228の特定最低賃金が設定されており、そのうち227は各都道府県内の特定の産業に対して設定され、1つは全国規模で設定されています(全国非金属鉱業最低賃金)。

特定最低賃金は産業や職種ごとに異なります。そのため、地域別最低賃金と比較した際に、どちらが高いかはケースバイケースです。高い方の最低賃金が適用されます。

例えば、愛知県の令和3年度地域別最低賃金は955円ですが、同じ期間に適用された「自動車(新車)、自動車部分品・付属品小売業」の特定最低賃金は871円です。したがって、愛知県で「自動車(新車)、自動車部分品・付属品小売業」に従事する外国人労働者に支払う最低賃金は955円が適用されます。

一方で、大阪府の令和3年度地域別最低賃金は992円ですが、同じ期間に適用された「鉄鋼業」の特定最低賃金は996円です。したがって、大阪府で「鉄鋼業」に従事する外国人労働者に支払う最低賃金は996円が適用されます。

このように、地域別最低賃金と特定最低賃金が存在する場合、高い方の賃金を支払う義務があることに留意してください。

最低賃金の注意点

最低賃金の適用範囲

地域別最低賃金は、産業や職種に関係なく、都道府県内のすべての事業場で働くすべての労働者と雇用主に適用されます。これには、パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託などの雇用形態や呼称に関係なく、あらゆる労働者が含まれます。

一方、特定最低賃金は特定地域内の特定の産業の主要な労働者とその雇用主に適用されます。ただし、18歳未満または65歳以上の方、雇用開始後一定期間未満でスキルを習得中の方、特定産業に特有の軽作業を行う方などには適用されません。

また、最低賃金を一律に適用することが雇用機会を制限する可能性がある場合、次のような労働者については、雇用主が都道府県労働局長の許可を受けて最低賃金の減額特例が認められています。

(1) 著しく労働能力が低い精神的または身体的障害のある方
(2) 雇用開始期間中の方
(3) 厚生労働省令で定められた基本的な技能訓練を受けている方
(4) 軽作業を行う方
(5) 断続的な労働を行う方

最低賃金の減額特例を申請する雇用主は、所轄の労働基準監督署長を通じて都道府県労働局長に提出するための特例許可申請書(所定のフォーマット)を2通作成する必要があります。

計算方法について

最低賃金は通常時給で示されているため、単に日給や月給を見ても、最低賃金を満たしているかどうかは分かりません。

このため、日給や月給が最低賃金を満たしているかどうかを確認するには、計算が必要です。
日給から時給を求めるには、「日給÷1日の労働時間」で計算できます。
同様に、月給から時給を求めるには、「月給÷1ヶ月の労働時間」で計算できます。

外国人採用のメリット

人材不足解消

2019年に人手不足解消を目的とする特定技能制度が創設されるなど、少子高齢化が深刻化する日本社会において外国人労働者は必要不可欠な存在です。人手不足と一言に言っても、若手人材が集まらない、社内の高齢化が進んでいる、即戦力がほしい、人手が足りず事業拡大ができないなど、事業所はさまざまな悩みを抱えています。

厚生労働省の発表によると、2022年10月末時点での国内の外国人労働者数は1,822,725人で、過去最高を更新しました。日本における生産年齢人口の減少を若手外国人材によって補うことで、企業の存続や発展に繋がります。

インバウンド対策

新型コロナウイルスの影響で一時外国人観光客数は減少傾向にありましたが、制限が解除されたことにより、外国人観光客は急増しています。飲食店や宿泊施設、コンビニエンスストアなど、外国人観光客に対応する機会がますます増えていくことが見込まれます。そこで、外国人材を採用することで多言語対応ができ、集客に繋がりインバウンド対策になります。

グローバル人材の育成

グローバル人材は、多言語を学ぶだけでは育成できません。多言語習得の他にも、異文化理解が重要になってきます。外国人材を雇用することで、異なるバックグラウンドをもつ多様な人たちと日常的に関わることができ、異文化を知ることができます。ダイバーシティな環境で働くことで異文化理解が深まるだけでなく、異文化コミュニケーション能力も身に付きます。

外国人採用の注意点

就労時間

賃金以外には、労働時間にも注意が必要です。外国人労働者に対しても労働基準法が適用されますので、1日に8時間を超える場合や週に40時間を超える場合は、上記の算出方法で最低賃金が上回っていても法律に違反している可能性があります。また、留学生のアルバイトについても週に28時間を超えてはならないとされていますので、注意が必要です。休憩時間や休日に関しても同様ですので、賃金以外にも留意をして法律違反にならないようにする必要があります。

学業目的の留学生の場合、日中は学校がある分平日の朝や放課後、土日祝日に働きます。この週28時間というのは、どの曜日からカウントしても1週間に28時間以内である必要があります。さらに、掛け持ちでアルバイトをしている場合、全ての業務時間を合わせて週28時間以内となります。就労時間に違反していた場合、「不法就労助長罪」に問われ、雇用主と外国人労働者両方に罰則が課せられます。雇用主は、事前に外国人労働者に掛け持ちの有無の確認やシフト管理を徹底して行う必要があります。
なお、夏休みなどの長期休暇に限り、留学生は1日8時間、週40時間まで就労することができます。

就労職種

就労できる職種は、在留資格によって異なります。
例えば、特定技能は特に人手不足が深刻化している建設や介護などの14業種(12分野)のみ就労できます。また、留学生の場合、バーやパチンコ店など風俗営業での就労は不可です。一方で、地位または身分に基づく在留資格に該当する永住者、定住者、配偶者(日本人、永住者の配偶者)であれば、就労職種や業務形態に制限はありません。
そのため、日本人と同じように働くことができます。

資格外活動許可

留学生や家族滞在は、「資格外活動許可」を受けている場合のみ週28時間以内で就労可能です。資格外活動許可を受けていない外国人が就労した場合、罰則が課せられます。資格外活動許可の有無は在留カードに記載されているため、雇用主は面接時にしっかり確認しましょう。
なお、偽造かどうか、ICチップを読み取り確認できる無料アプリもあるためこちらも加えて面接時にしっかり確認を行ってください。

適正な賃金支払いによる優秀な外国人労働者の確保

適正な賃金を支払うことで、優秀な外国人労働者を確保しよう

外国人労働者は、労働人口が減っている産業にとって貴重な労働力です。労働に関する法律や企業内の規則に従って、適正に賃金が支払われる必要があります。労働条件が適正かどうか不安な場合は、外国人労働者の雇用に詳しい行政書士や弁護士に相談する方法もあります。賃金や労働環境の改善を図ることで、より優秀な人材を確保できる可能性が広がりますので、労働条件を見直してみることも大切です。

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