コラム

特定技能「外食業」での外国人の受け入れ条件や雇用まで徹底解説

新設された「特定技能」制度は、日本企業の人手不足を補うことが目的です。14分野を対象にしており、その1つが外食業です。「特定技能」を取得した外国人を受け入れるためには、企業は4つの基準を満たす必要があり、3つの義務を果たさなければいけません。この記事では、外食業で「特定技能」を受け入れる際の条件や導入までの流れを解説しています。

特定技能「外食業」とは

特定技能「外食業」とは、2019年4月に導入された日本の在留資格制度の一環です。この制度の目的は、特定の業界での人手不足を解消するために外国人労働者の受け入れを許可することです。

この特定技能制度の一部として、「外食業分野」があります。特定技能「外食業」は、外国人労働者を受け入れて人手不足を解消するための制度です。ただし、注目すべきは、この制度が適用されない業種の一つである「コンビニ業種」です。この業種は特定技能制度の対象外となっています。

近年、外食業界は顧客の変化に直面しており、訪日観光客の増加に伴い、サービス提供などにも変化が生じています。そのため、特定技能制度を活用して外国人従業員を受け入れることで、様々な顧客ニーズに対応しようという試みも行われています。

外国人が日本で働くためには、就労ビザが必要です。特に「特定技能」の一環として、外食業分野に関する就労ビザが存在します。特定技能は、日本の人手不足を補完するために設立された制度であり、外食業分野では、レストランのホール業務からラーメン店の調理スタッフなど、外食業に関連するさまざまな職種が対象となります。

特定技能には1号と2号のカテゴリがあり、外食業分野では現在1号が適用されていますが、2023年6月9日に、出入国在留管理のもと、2号が導入の閣議決定がなされました。詳細な業務範囲や資格要件については、後ほど詳しく説明します。

(参考)特定技能2号の対象分野の追加について(令和5年6月9日閣議決定) | 出入国在留管理庁

外⾷業に従事する外国⼈労働者数は、約18.5万⼈といわれており、また、出入国在留管理庁が2023年1月に発表した特定技能外国人数の速報値によると、特定技能1号在留外国人数は、137,588人で、そのうち「外食業」では、5,537人がこの制度で雇用されています。

特定技能「外食業」ができた背景

外食業界は、長らく人手不足の問題に直面してきました。厚生労働省のデータによれば、平成30年における外食産業の有効求人倍率は「4.40」で、これは全産業の平均倍率である「1.62」を大きく上回っています。

この人手不足の課題に対処するため、外国人労働者の活用が模索されました。しかし、外国人の雇用状況を見ると、資格外活動に従事する留学生などが55%を占め、次いで永住者などの「身分に基づく在留資格」が23%、特定技能や技能、技術・人文知識・国際業務などの「専門的・技術的分野」が16%となっています。このうち、多くの外食業界は留学生などのアルバイトに依存しています。

資格外活動には労働内容や労働時間に制約があり、日本国内での雇用が限定的であるため、外国人労働者を労働力として活用することは難しい状況です。そのため、飲食業界の深刻な人手不足に対処するために、特定技能制度が外食業を対象として設けられました。

現在、国内の外食産業は労働者不足の問題を抱えており、将来的にも飲食店の人手不足が解消される見通しは立っていません。そのため、特定技能外国人の受け入れは、この人手不足に対処するための重要な手段となっています。

特定技能「外食業」の需要は今後も拡大が予測されており、コロナ禍の終息後には労働者不足が一層深刻化する可能性が高いと言えるでしょう。

特定技能「外食業」で行える業務区分

飲食物調理

飲食物調理では、外食店で提供する飲食料品の調理、調整、製造が主な活動です。具体的な仕事内容には、料理の調理、メニューの準備、食材の加工、調味料の調合、料理の盛り付け、品質管理などが含まれます。これらのタスクは、飲食店の顧客に高品質の料理を提供するために不可欠です。

接客

この業務は、飲食店での接客業務を指します。顧客への飲食料品の提供やサービス提供、注文の受け付け、料理の説明、飲食環境の整備、顧客の要望への対応などが含まれます。接客業務は、お客様の満足度を向上させ、リピーターを増やすために重要です。

店舗管理

この業務区分では、飲食店の運営に関連する上記2つの業務以外の作業が含まれます。これには、店舗の清掃、在庫管理、スタッフのシフト管理、予算管理、宣伝広告活動、衛生規則の遵守、営業戦略の立案などが含まれます。店舗管理業務は、飲食店の効率的な運営と収益の最大化に寄与します。

また、特定技能「外食業」において、上記業務に従事する日本人が通常行う関連業務にも従事できます。

農林水産物の生産

飲食店で使用する食材として、農産物や水産物の生産に関与することができます。これは、食材の品質と供給の安定性を確保するために重要です。

商品の販売

店舗における調理品以外の商品の販売も可能です。これには、店内で提供される料理以外の商品や飲料、雑貨などが含まれます。飲食店が多角化したサービスを提供する場合に役立つ業務です。

以上の業務区分と関連業務は、特定技能「外食業」での外国人労働者の活用と、飲食店の効果的な運営をサポートするために設定されています。外食業界における多様な役割に従事することで、業界全体の成長と発展に貢献することが期待されています。

デリバリー業務について

特定技能が外食業で従事できる業務は、調理や接客、店舗管理などの外食業全般です。調理や接客に従事した上でデリバリー業務にあたることは認められていますが、デリバリー業務のみの従事は認められていません。

受入れ機関(企業側)の基準

外国人を受け入れるための受入れ機関には以下の基準があります。

  • 適切な雇用契約:報酬が日本人と同等以上であること、労働条件が適正であることなど
  • 適切な機関自体:過去5年以内に出入国や労働法令違反がないこと、信頼性があることなど
  • 外国人支援体制:外国人が理解できる言語での支援体制が整っていること、生活支援、健康管理、トラブル解決などのサポートが提供されること
  • 適切な支援計画:外国人のための生活オリエンテーション、文化の適応支援、職業能力の向上支援など包括的な支援計画が策定されていること

受入れ機関(企業側)の義務

受入れ機関は以下の義務を負います。

  • 雇用契約の確実な履行:報酬を適切に支払うこと、労働条件を守ること、安全な労働環境を提供することなど
  • 外国人への適切な支援:外国人に対する適切な労働条件の説明、文化の適応支援、健康管理、住宅の提供など
  • 出入国在留管理庁への各種届出:外国人の雇用開始、雇用終了、住所変更などの届出を正確に行うこと

これらの基準と義務を怠ると、外国人を受け入れられなくなる可能性があり、出入国在留管理庁から指導や改善命令を受けることがあります。また、外国人の受け入れを成功させるためには、コミュニケーションや文化の理解にも力を入れることが重要です。

特定技能「外食業」での外国人側の条件

特定技能「外食業」の申請には、外国人自身が2つの試験に合格する必要があります。これらの試験に合格しないと、在留資格申請が認められません。

「外食業特定技能1号技能測定試験」の合格

まず、1つ目の試験は「外食業特定技能1号技能測定試験」です。この試験は2つの部分で構成されており、合計で80分かかります。学科試験では、外食業で必要な日本語能力が問われ、実技試験では正しい行動選択と作業計画の能力が評価されます。試験は1年に3回実施され、日本国内と海外の会場で受験することができます。詳細は「OTAFF 一般社団法人外国人食品産業技能評価機構」のウェブサイトで確認できます。

「日本語能力試験(N4以上)」または「国際交流基金日本語基礎テスト(200点以上)」の合格

2つ目の試験は「日本語能力試験」です。受験者は「日本語能力試験(N4以上)」または「国際交流基金日本語基礎テスト(200点以上)」のどちらかを受験することになります。どちらを選んでも構いません。日本語能力試験のレベルはN1からN5まであり、自身の日本語能力に応じて受験します。留学生の多くはN2の取得を目指し、N1は難易度が高いため合格率が約30%程度です。

特定技能「外食業」での雇用前と雇用後流れ

ここでは、雇用までの流れと雇用後の流れを紹介します。

雇用までのステップ

外国人を特定技能として雇用するプロセスは、以下の4つのステップから成り立っています。

1. 受け入れ企業の基準確認

まず最初のステップは、外国人を雇用しようとする企業が、特定の基準を満たしているかどうかの確認です。このために、出入国在留管理庁の公式ウェブサイトで提供されている情報を参考にするか、行政書士にアドバイスを求めることができます。

2. 特定技能の取得確認

ステップ2では、雇用予定の外国人が「特定技能」を取得しているかどうかを確認します。特定技能の取得には、技能試験の合格と日本語試験で一定の成績を収めるか、または「技能実習2号を良好に修了」という条件が必要です。取得確認後、雇用契約を締結します。

3. 外国人への指示

ステップ3では、外国人に対して健康診断の受診や在留資格の申請に必要な書類の提出について指導します。同時に、支援計画書や企業側の必要な書類の準備を進めます。

4. 雇用開始

ステップ4では、外国人に対して約3時間のガイダンスを行い、在留資格の申請手続きを開始します。在留資格が承認されれば、雇用が正式に開始されます。

雇用後の流れ

雇用が始まった後も、手続きとサポートが行われます。雇用後のプロセスには以下の3つの主要なステップがあります。

1. ハローワークへの届け出

雇用開始後、雇用者はハローワーク(公共職業安定所)に雇用の届け出を行う必要があります。これは雇用者の義務です。

2. 福利厚生手続き

雇用者は、外国人労働者の福祉や厚生をサポートするために必要な手続きを実施します。これには社会保険や年金の手続きが含まれます。

3. 外食業分野の協議会への参加

雇用者は外食業分野の協議会に参加し、業界の規則と基準に従います。これには、外国人労働者のサポートやトレーニングプログラムへの参加も含まれます。

さらに、雇用後は計画的なオリエンテーションが提供され、定期的な面談が行われます。面談では外国人労働者とその監督者が、雇用契約の実施状況や生活の健康面などについて評価と確認を行います。支援責任者が面談を実施し、雇用条件が適切に履行されていることを確認します。

特定技能「外食業」で外国人を受け入れる際の4つの注意点

最後は、特定技能「外食業」で外国人を受け入れる際の4つの注意点を紹介します。

1. 制限された業務・雇用形態

特定技能「外食業」の外国人労働者は、直接雇用しなければならず、派遣契約での雇用は認められていません。また、風俗営業法に規定される店舗では、外国人による接待や調理業務、接客業務が禁止されています。このため、該当する店舗では外国人の雇用ができません。

2. 同等の賃金

特定技能「外食業」の外国人労働者に支払う賃金は、同等の日本人労働者に支払われる賃金と同じでなければなりません。外国人を低賃金で雇うことは法的に許可されていません。

3. 所属機関の注意

特定技能「外食業」を活用して外国人を雇用する企業は、特定の条件を満たす必要があります。その中で、重要な条件の一つが「食品産業特定技能協議会への加入」です。この協議会は、外国人の雇用に関する情報を提供するだけでなく、不正行為を防ぐ役割も果たしています。外国人を雇う際には、必ずこの協議会に加入する必要があります。加入期限は外国人を雇用してから4か月以内です。

4. 接待の禁止

特定技能「外食業」において、接待業務および接待行為の従事は禁止されています。この制約は「外食業」に限らず、全ての業態で適用されます。風俗営業法に基づくもので、外国人を安価で接待に従事させないための規定です。接待飲食等営業では、外国人の雇用自体が禁止されています。

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