コラム

外国人留学生「留学ビザ」から「就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)」へ変更申請する方法

一般的に、外国人が取得可能な在留資格は合計16種類存在しますが、外国人留学生が日本での就労を希望する際に、取得(切替)することが最も多い在留資格は「技術・人文知識・国際業務」通称、技人国(ぎじんこく)です。実際、これらの在留資格は全体の9割強を占めています。そのため、この記事では、「留学ビザ」から「就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)」へ変更申請する方法をまとめて紹介します。

目次

外国人留学生を新卒採用する際の一連の流れ

外国人雇用時の就労ビザ手続き

外国人留学生を雇用して就労ビザを切り替えるまでの一連の流れは以下の通りです。

(1)就職活動・採用活動
(2)面接・在留資格の確認
(3)内定
(4)雇用契約書の締結
(5)ビザ申請の準備
(6)ビザ変更の申請
(7)ビザ取得
(8)卒業
(9)就労開始

(1)就職活動・採用活動

最初のステップは、外国人留学生との就職活動および採用活動です。これには、求人広告の掲載、履歴書の受け付け、面接の実施などが含まれます。採用プロセスの始まりです。

注意点
求人広告や面接の際に、外国人留学生に対する平等な機会を提供し、差別を避けることが重要です。

(2)面接・在留資格の確認

候補者を面接し、採用の選考プロセスを進めます。また、雇用契約を締結する前に在留カードを提出してもらい、偽造されたものでないかを確認しましょう。雇用する外国人が現役の学生であれば「留学ビザ」、卒業して就職活動中であれば「特定活動ビザ」です。

また原則として「短期滞在ビザ(観光ビザ)」から「就労ビザ」に切り替えることはできないので注意してください。

注意点
在留資格やビザに関する詳細な情報を確認し、不明点があれば外国人留学生や関係当局に確認を取ることが必要です。合法的な雇用が確保されない場合、後のステップを進めることはできません。

(3)内定

選ばれた外国人留学生に内定を出します。内定は、雇用契約を締結するための前提条件です。

注意点
内定の際に、雇用条件や就業条件を明確に伝え、外国人留学生との合意を確立します。また、内定後に必要な書類や手続きについて説明し、円滑なプロセスを促進します。

(4)雇用契約書の締結

内定を受けた外国人留学生と雇用契約書を締結します。この契約には、給与、勤務条件、契約期間などが含まれます。

注意点
雇用契約書は、後の「就労ビザ」の申請に必要な書類の一部となるため、申請前に確実に締結する必要があります。注意すべき点は、雇用契約を締結した後に「就労ビザ」の申請が不許可になる可能性があるということです。

このため、雇用契約書には、「就労ビザを取得することが本契約の有効性の前提条件である」といった停止条件(停止条項)を盛り込むのが一般的です。

(5)ビザ申請の準備

外国人留学生は、雇用に必要なビザを申請するための準備を始めます。これには、必要な書類の収集や申請料の支払いが含まれます。

外国人留学生と採用企業それぞれに準備が必要な書類は、後ほど紹介します。

注意点
ビザ申請に必要な書類や手続きについて、留学生をサポートし、必要な情報やサポートを提供します。タイムリーに行動し、ビザの取得プロセスを円滑に進めることが重要です。

(6)ビザ変更の申請

「就労ビザ」の申請は、申請者の住所から最も近い地方入管局で行います。申請者は外国人本人以外に、企業の担当者や行政書士を代理人とすることも可能です。

また「留学ビザ」から「就労ビザ」への切り替えは12月1日に解禁されます。ビザ申請の審査から許可の決定までには通常1ヶ月から3ヶ月かかります。

注意点
特に例年2月から5月頃までが地方入管局の繁忙期です。4月の入社から逆算して、時間に余裕を持って申請してください。

(7)ビザ取得

無事に「就労ビザ」の許可が降りたら、「外国人雇用状況届出書」を事業所から最も近いハローワークに提出します。「外国人雇用状況届出書」の提出は雇用保険の手続きと兼ねることが可能です。

注意点
「就労ビザ」は最長5年間有効です。雇用後は「就労ビザ」の更新を忘れないようにしてください。

(8)卒業

留学生が大学または教育機関から卒業する際、この情報を雇用主に通知します。

注意点
卒業後もビザの有効性を保つために、必要な手続きや更新があるかどうか確認します。必要であれば、ビザの更新手続きを行います。

(9)就労開始

ビザが取得され、留学生が卒業したら、正式に就労を開始します。

注意点
就労開始後も、留学生とのコミュニケーションを維持し、必要なサポートを提供します。雇用条件や契約の守備に留意し、円滑な職場環境を確保します。

就労ビザ切り替え時の書類

外国人留学生を新卒採用するときによくある質問

外国人留学生を新卒採用する企業さんからよくある質問を3つ紹介します。

就労ビザを取得する前に内定を出すべきですか?

外国人採用を初めてする企業によくある質問ですが、答えは「はい。就労ビザを取得する前に内定を出す必要があります。」

留学ビザを持つ外国人留学生が就労ビザを取得する際には、まず内定を受ける必要があります。就労ビザは、特定の雇用契約があることが必要なため、ビザ申請の前段階として、内定を受けることが必要です。内定を受けた後に、ビザの申請手続きを進めることになります。

就労ビザのない留学生に内定を出すことはできますか?

こちらも、外国人採用を初めてする企業によくある質問ですが、答えは前述のとおり、「就労ビザのない留学生に内定を出すことはできます。」

就労ビザを取得するためには、まず内定を出し、それから技人国ビザの申請手続きを行う必要があります。逆の順序は通常考えられません。

内定を出したのに、就労ビザが取得できなかった場合は、どうすればよいですか?

この質問のように外国人留学生が就労ビザが取得できなかった場合のために、「停止条件(停止条項)」を記載することが一般的です。これにより、ビザが取得できない場合、雇用契約は自動的に無効となり、雇用者としてのリスクを回避できます。したがって、ビザの取得前に内定を出す際には、この停止条件を雇用契約に明記することが重要です。

停止条件(停止条項)の書き方の例を紹介します。
(例1)
当契約は、日本国法務省からの在留資格および在留期間に関する許可が前提条件となります。
This agreement is subject to permission from the Ministry of Justice of Japan regarding status of residence and period of stay.

(例2)
この雇用契約は、日本政府が正式に認める在留資格の許可または在留期間の更新が確定することを前提として有効となります。
This employment contract will become effective on the condition that the permission of status of residence officially recognized by the Japanese government or the renewal of the period of stay is finalized.

「留学」から「就労」ビザに変更申請する際に必要な書類

ここからは、「外国人留学生側が準備する書類」と「採用企業側が準備する書類」を紹介します。ただし、個別の事情や会社の事情によって、登記簿謄本、決算書、会社案内が免除される場合や、その他参考となる資料 の提出が求められることがあることに注意してください。

外国人留学生側が準備する書類

・パスポート
・外国人登録証
・在留資格変更許可申請書(ダウンロードはこちら)
・履歴書(書式は自由ですが、本国での職歴および本国・日本での学歴を記載してください)
・申請理由書(任意提出、書式は自由ですが、就職までの経緯、就職先の職務内容、大学での専攻との関連性などを記述してください)
・卒業証明書または卒業見込み証明書(卒業見込み証明書を提出する場合、卒業証明書が発行されたら直ちに提出してください。)

採用企業側が準備する書類

・雇用契約書のコピー(採用通知書や雇用起業からの辞令などでも可。労働条件についての情報が記載されていることが必要です)
・商業法人登記簿謄本および決算報告書(損益計算書)のコピー(登記簿謄本は申請日から3ヶ月以内に発行されたもの、決算書は最新年度のもの、新規設立企業は年間事業計画書)
・会社のパンフレット
・雇用理由書(任意提出、書式は自由ですが、採用経緯および理由、職務内容などを記述してください)

技術・人文知識・国際業務(技人国)で就労可能な職種一覧

ここからは、外国人留学生が「技術・人文知識・国際業務(技人国)」へのビザ変更で就労可能な職種の一覧を紹介します。

技術

明確に、この職種なら必ずビザが取得できるということではないですが、一般的に、「技術カテゴリー」で就労可能な職種の一覧を紹介します。

・エンジニア(ソフトウェア、ハードウェア、システム)
・プログラマー
・システムアーキテクト
・ネットワークエンジニア
・データベース管理者
・ロボティクスエンジニア
・電気・電子工学技術者
・自動車エンジニア
・建築設計士
・化学技術者
・生命科学技術者
・医療技術者(一部の職種)
・航空宇宙エンジニア
・機械工学技術者

人文知識

明確に、この職種なら必ずビザが取得できるということではないですが、一般的に、「人文知識」で就労可能な職種の一覧を紹介します。

・国際ビジネスコンサルタント
・マーケティングマネージャー
・貿易スペシャリスト
・人事担当者(国際採用、外国人労働者の雇用)
・企業内トレーナー
・プロジェクトマネージャー(国際プロジェクト)
・国際関係担当者
・開発援助専門家
・財務アナリスト(国際金融)
・エクスポート/インポートマネージャー
・通訳、翻訳
・デザイナー
・語学講師

外国人雇用時の就労ビザ切り替えの必要性

まとめ

「留学ビザ」のままで雇用し、そのまま就労させると不法就労になります。不法就労は外国人本人が罰せられることに加えて、働かせた企業は不法就労助長罪の罪に問われます。社会的信用を失うので、必ず「就労ビザ」の切り替えを行ってください。不安なこと・分からないことがある場合には、近くの地方入国管理局や行政書士などの専門家に相談してみてください。

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