コラム

製造業で外国人雇用する際の在留資格(就労ビザ)について解説

製造業は日本経済において重要な産業の一つであり、長らく多くの雇用機会を提供してきました。しかし、近年、製造業界は深刻な人材不足に直面しており、この問題はさまざまな要因によって引き起こされています。労働人口の減少、都市への人材流出、高齢化などがその主な要因であり、これにより多くの製造業企業が人材確保に苦しんでいます。

このような状況の中で、製造業で外国人労働者を雇用することが注目されています。外国人労働者を雇用する際には、適切な在留資格(ビザ)の取得が不可欠であり、異なる在留資格には異なる条件と要件が適用されます。

この記事では、製造業における外国人雇用に関連する主要な在留資格について詳しく解説し、企業が適切なビザを選択し、外国人労働者を雇用するための情報を提供していきます。

製造業界における外国人雇用メリット

製造業界における人材不足の現状

日本は長らくものづくり大国として知られ、製造業が国内経済を支えてきました。しかし、近年、製造業は深刻な人材不足に直面しています。この問題は、少子高齢化に伴う労働人口の減少や都市部への人材流出などが影響しており、特に地方の製造業には大きな打撃を与えています。

製造業における人手不足は、企業に大きな影響を及ぼしており、経済産業省の2017年の調査によれば、94%の企業が人材確保に課題を抱え、さらに約30%の企業でビジネスへの影響が報告されています。今後、ますます多くの企業が人材不足による経営困難に直面する可能性が高まっています。

実際に、近年では人材不足が原因で企業倒産が発生しており、「人材不足関連倒産」として東京商工リサーチ(2020)が報告しています。2020年上半期(4-9月)において、製造業での人材不足による倒産は28件も発生しています。

これまで日本経済を支えてきたものづくり産業を維持するためにも、外国人材の雇用が不可欠であると言えるでしょう。

製造業で外国人雇用する際の在留資格(ビザ)

製造業において、外国人労働者を雇用する場合、単純作業を業務として行うか否かによってビザが異なります。

ここからは、製造業で外国人を雇用する際に良く活用される在留資格(ビザ)について詳しく説明していきます。

特定技能

特定技能ビザは、日本での外国人労働者受け入れ制度の一環で、特に製造業分野で外国人を雇用するための在留資格です。

【外国人本人側の要件】
・3年間の技能実習修了者であること。
・特定技能試験および日本語能力試験N4に合格していること。

【企業側の要件】
・飲食料品製造業、素形材産業、産業機械製造業、電気、電子関連産業などの特定の業種に属すること。
・社会保険の完備。
・過去2期間に連続して赤字でないことなど、多くの条件があります。技能実習受け入れ企業の場合、通常問題はありません。

【職務内容】
特定技能ビザでは、単純な作業も許可されており、特別なスキルや経験を持っていない外国人労働者でも雇用が可能です。

【必要書類例】
特定技能ビザを申請するために必要な書類の一部は以下の通りです。
・在留資格認定証明書交付申請書 / 在留資格変更許可申請書
・特定技能外国人の報酬に関する説明書
・特定技能雇用契約書の写し
・雇用条件書の写し
・事前ガイダンスの確認書
・支払費用の同意書及び費用明細書
・健康診断個人票
・登記事項証明書
・法人税の確定申告書の控え(直近2年分)
・労働保険料等納付証明書(未納なし証明)
・その他必要な書類

技能実習

製造業で外国人を雇用する際の在留資格の一つは「技能実習」です。

技能実習「製造業」で外国人を受け入れ可能な職種
外国人を技能実習生として雇用する際、受け入れ可能な職種があります。製造業においては、以下の15の職種が該当します。これらの職種に関連する業務で外国人を技能実習生として雇用することができます。

  1. 鋳造:鋳鉄鋳物鋳造、非鉄金属鋳物鋳造
  2. 鍛造:ハンマ型鋳造、プレス型鋳造
  3. ダイカスト:ホットチャンバダイカスト、コールドチャンバダイカスト
  4. 機械加工:普通旋盤、フライス盤、数値制御旋盤、マシニングセンタ
  5. 金属プレス加工:金属プレス
  6. 鉄工:構造物鉄工
  7. 工場板金:機械板金
  8. めっき:電気めっき、溶融亜鉛めっき
  9. アルミニウム陽極酸化処理:陽極酸化処理
  10. 仕上げ:治工具仕上げ、金型仕上げ、機械組立て仕上げ
  11. 機械検査:機械検査
  12. 機械保全:機械系保全
  13. 電子機器組立て:電子機器組立て
  14. 電気機器組立て:回転電機組立て、変圧器組立て、配電盤・制御盤組立て、開閉制御器具組立て、回転電機巻線製作
  15. プリント配線板製造:プリント配線板設計、プリント配線板製造

【技能実習生を雇用する方法】
製造業で外国人技能実習生を雇用する場合、通常「監理団体」を選び、「団体監理方式」という方法を取る必要があります。監理団体は、外国人技能実習生の受け入れに関する手続きや指導をサポートする非営利団体です。中小企業団体、商工会議所、農業協同組合、職業訓練法人など、監理団体はさまざまな組織から選択できます。選んだ監理団体と連携し、技能実習生の雇用関係を築きます。技能実習生の在籍数に応じて「技能実習1〜3号」の在留資格が与えられます。

また、「企業単独型」も存在しますが、これは海外に支店や関連企業がある企業に限られる方法です。この方式では監理団体を介さず、情報が整った状態で雇用できる利点がありますが、大企業に制限されることがあるため、製造業の一般的な雇用には団体監理方式が選択されることが多いです。

特定活動46号

特定活動46号ビザは、日本の大学や大学院を卒業し、高度な日本語能力(通常は日本語能力試験N1)を持つ外国人留学生が、日本での就労を許可されるビザです。職務内容は日本語でのコミュニケーションが必要な業務に限定され、通常1年間の期間で発行されます。このビザは、外国人留学生が卒業後、日本でのキャリアを構築するためのオプションとして利用でき、家族滞在ビザも取得可能です。特定活動46号ビザは、高度な日本語能力と職務内容が求められるため、注意深くビザ申請を行う必要があります。

製造業で外国人を雇用し、「特定活動46号ビザ」を取得するためには、特定の条件を満たす必要があります。

【特定活動46号ビザの対象者】
・日本の4年制大学又は大学院を卒業・修了し、学位を授与された者。
※短期大学、専修学校、外国の大学又は大学院の卒業・修了は対象外です。
・日本語能力試験N1又はBJTビジネス日本語能力テストで480点以上の成績証明書を持つ者。または、日本の大学・大学院で「日本語」を専攻し、卒業・修了した者。
※外国の大学で日本語を専攻し、学位を取得していれば、N1を持っていなくてもN1相当として扱われますが、日本の4年制大学の卒業は必須です。

【対象となる職務内容】
・日本語を用いた円滑な意思疎通が必要な業務。
※翻訳・通訳の要素のある業務、または日本語での双方向のコミュニケーションが必要とされる業務です。

【具体的な製造業における職務内容の例】
1.工場での製造ライン作業監督
日本人従業員からの作業指示を外国人労働者に日本語で伝達・指導しながら、自らもラインで業務を行います。製品ごとに異なる作業行程や要求仕様があるため、日本語能力が必要です。ただし、ラインで指示された作業のみに従事することは許可されません。
2.製造工程管理者
製品製造に関する日本語での指示書や報告書を読み、理解し、作業者に伝える役割を果たします。日本語でのコミュニケーションが不可欠です。
3.品質管理担当者
製品の品質向上に関する日本語での報告書を作成し、日本語で上司やチームメンバーと情報共有を行います。毎週の品質改善会議に参加し、改善提案を日本語で行います。

技人国(技術・人文知識・国際業務)

製造業で外国人を雇用する際の在留資格の一つである「技人国(技術・人文知識・国際業務)ビザ」について詳しく説明します。

技人国ビザは、外国人が日本の製造業において、研究開発、生産管理、設計などの技術系の職種で働くためのビザです。このビザは、外国人が大学や専門学校で技術系の科目を学んでいる場合に取得できるホワイトカラーの就労ビザで、技人国ビザは「技術・人文知識・国際業務ビザ」の略称です。

技人国(技術・人文知識・国際業務)ビザを取得するメリットとして、他のビザに比べて取得コストやビザ取得にかかる労力が少ないことが挙げられます。たとえば、技能実習生や特定技能外国人を雇用するためには多くの条件や書類提出が必要ですが、技人国ビザは比較的簡単に取得できることから、多くの企業がこのビザを活用しています。

技人国(技術・人文知識・国際業務)ビザの取得が容易なケースと難しいケースは以下の通りです。
【取得が容易なケース】
・機械工場や部品工場などで機械オペレーターとして働く場合。
・生産管理、工程管理、品質管理などの職務に従事し、解析ソフトやシミュレーションソフトを使用する場合。

【取得が難しいケース】
・現場作業や組み立て作業、溶接作業などの単純な作業に従事する場合

技人国(技術・人文知識・国際業務)ビザを取得するための要件は以下の通りです。
【外国人本人側の要件】
・大学または専門学校(短期大学も含む)を卒業し、専門士の学位を取得していること。

【職務内容の要件】
・単純な現場労働ではなく、専門的な知識や技術が必要な仕事に従事すること。

【技人国(技術・人文知識・国際業務)ビザで採用する際の注意点】
技人国ビザを取得するためには、職務内容を詳細に説明し、ビザ申請時に必要な書類や条件を満たすことが必要です。特に工場内での技人国ビザの審査は厳格であり、細かい審査基準を満たす必要があります。

技人国ビザを取得し、一定期間の現場労働を行うことも可能です。ただし、現場労働が本来の業務に必要な場合、それに関連する実務研修の一環として認められることがあります。技人国ビザの取得には行政書士などの専門家の知識が必要であるため、ビザ申請時には専門家に相談しましょう。

永定配(永住者・定住者・配偶者)

製造業において外国人を雇用する際、「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」といった身分に基づく在留資格をもつ外国人を雇用することもあるでしょう。

これらの在留資格を持つ外国人は、日本人と同様に、製造業においても自由に働くことができ、職種や分野に関する制約は受けないため、永定配(永住者・定住者・配偶者)の在留資格を持つ外国人を雇用することができます。

1.永住者(Permanent Resident)
永住者とは、日本に長期間居住している外国人が取得できる在留資格です。永住者は日本での活動に制約を受けず、職種や分野に関わらず自由に雇用されることができます。永住者としての資格を持つ外国人は、日本に永住するための長期的なビザの保持者です。

2.日本人の配偶者等(Spouse or Child of Japanese National)
日本人と結婚した外国人や、日本人の子供である外国人がこの在留資格を持つことができます。この在留資格を持つ外国人は、日本での活動に制約を受けず、製造業を含むあらゆる職種で雇用されることが可能です。

3.永住者の配偶者等(Spouse or Child of Permanent Resident)
永住者の配偶者や子供として日本に滞在する外国人が該当します。永住者の家族として、日本での活動に制約を受けず、製造業を含むあらゆる職種で雇用されることができます。

4.定住者(Long-Term Resident)
定住者は、特定の条件を満たす外国人に与えられる在留資格です。定住者の場合も、日本での活動に制約を受けず、製造業を含む多岐にわたる職種で雇用されることが可能です。この在留資格は、日本に定住し、さまざまな要件を満たす外国人に与えられます。

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