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【23年6月最新】訪日外国人207万3300人、インバウンド回復に消費単価向上が鍵となる日本の観光産業

日本の観光業界は、訪日客数の緩やかな回復に期待が高まっています。2023年6月には新型コロナ前の水準の70%を初めて超え、207万人の訪日客を迎えました。しかし、航空便の回復の遅れや人手不足の課題から、急激な客数増は見込めません。そのため、業界は消費単価の向上に注力し、持続的な成長を目指しています。観光庁の発表によれば、訪日客一人当たりの旅行支出は上昇傾向にあり、円安も消費増を後押ししています。地方への誘致や消費単価の増加により、地域経済の活性化を図る取り組みが重要です。訪日客数の回復だけではなく、持続可能な観光産業の構築が求められています。

訪日客数はゆっくりと回復の兆しを見せています。2023年6月、207万人を初めて超え、新型コロナウイルスの前の水準の70%に達しました。旅行者一人当たりの支出は2019年を上回り、総消費額の減少を一部カバーしました。航空便の回復の遅れと人手不足の問題から、将来的な急激な訪日客数の増加は見込めません。消費単価の向上が重要となっています。

日本政府観光局(JNTO)が発表したデータによれば、2023年1月から6月の訪日客数は1071万2000人でした。1000万人の大台に乗ったものの、2019年同期と比較して約60%の規模です。

2023年6月には、新型コロナウイルスの拡大が急速に進行した2020年2月以降、初めて200万人を超え、207万3300人に達しました。国・地域別では、韓国が54.5万人で最多でしたが、2019年6月と比較して10.9%減少しました。次いで台湾が38.9万人(15.6%減)、米国が22.6万人(29.2%増)となっています。

2022年10月以降、水際対策が緩和されたことにより、2023年3月からは訪日客数は月間でコロナ前の水準の60%台後半で推移していました。航空便の回復の遅れや中国人の団体旅行への規制があるため、まだコロナ前の水準には達していません。

国際定期便では北米はコロナ前の状況に戻りつつありますが、中国や欧州便はまだ回復途上です。全日本空輸(ANA)の2023年6月末時点の国際線の運航便数は、北米ではほぼ回復し、コロナ前の水準の60%以上です。

中国路線はまだ30%を超えていません。ウクライナ侵攻によりロシア上空を避ける必要がある欧州路線も50%を超えていません。ANAの井上慎一社長は、中国や欧州の遅れを考慮して、「国際路線全体は2023年中にはコロナ前の100%に戻ることはないだろう」と述べています。

中国政府は日本への団体旅行の規制を続けています。2023年6月の中国本土からの訪日客数は20.8万人であり、個人旅行が支えとなっています。2019年6月の88万人を遥かに下回っています。

中国でビザ発給数が最も多い上海の日本総領事館によると、2023年6月のビザ発給数は19年平均の約80%に回復しました。そのほとんどが短期滞在ビザです。

本格的な需要回復の鍵となる地方発着の国際便はまだ回復していません。国土交通省によると、航空会社から2023年3月から10月までの夏ダイヤにおいて申請された国際定期便は週間約3100便で、2019年同期の約60%に回復しています。ただし、申請は羽田や成田などの都市部に集中しており、地方空港では低調な状況です。

しかしながら、仮に訪日客数がコロナ前の水準に戻ったとしても、喜びを素直に感じることはできません。人手不足が深刻な問題となっているからです。世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)によると、2023年の日本の旅行・観光部門の雇用は560万人であり、2019年に比べて30万人少なくなっています。

訪日客数の増加を追い求める中で、受け入れ体制が十分に整っていない場合、観光地やリゾート地に混乱をもたらす可能性があります。そのため、訪日客一人ひとりの消費額を増やすことで、訪日客数を追わずにコロナ前の消費額に回復させることが可能です。光明が見えています。

観光庁が発表した2023年4月から6月の訪日客一人当たりの旅行支出は20万5000円(速報値)で、2019年同期比で32%増加しました。総消費額は1兆2052億円であり、19年と比較して4.9%減少にとどまりました。

韓国や台湾、フィリピンは訪日客数は減少しましたが、一人当たりの消費額が増えたため、全体としてはプラスの結果となりました。

この結果の大きな要因は円安です。外国為替市場では、新型コロナ禍前の2019年1月は1ドル=108円台前後でしたが、現在は139円台となっています。また、日本と他国とのインフレ差も、日本の経済の割安感を増加させました。

野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストによると、長期間に渡って訪日できなかった観光客が、訪日時に通常よりも多くの商品を購入したり、高価なホテルに泊まったりするといった「先送り(ぺントアップ)需要」も強いとのことです。

多くの人々が観光地を訪れることでオーバーツーリズム(観光公害)などの問題が起こる中、木内氏は「単に数を増やすだけではなく、地方への誘致や消費単価を増やす観光商品の拡充を通じて地域経済の活性化を図るべきです」と述べ、持続可能な観光産業を模索するよう呼びかけています。

(参考)6月のインバウンド207万人 初のコロナ前比7割超え – 日本経済新聞

YOLO総研 編集部 シホ

この記事を書いた人

YOLO総研 編集部 シホ

2023年に外国人実習雇用士の資格を取得し、外国人採用を円滑に進めるための情報を日々発信しています。

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